就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型(以下「B型」と略します)とは、障害や難病のある方が一般企業等で働くことが難しい場合に、働く機会を提供する障害福祉サービスの一つです。特に、雇用契約を結ばずに比較的自由な形で働けることが特徴です。
B型は、障害の状態や体調に合わせて柔軟に働ける場を提供することで、生活リズムを整えたり、社会参加を促す目的があります。
就労継続支援A型との違い
項目 | A型 | B型 |
---|---|---|
雇用契約 | あり(利用者は事業所と雇用契約) | なし(訓練としての作業) |
賃金 | 最低賃金保証(給与) | 工賃(成果や時間に応じて) |
対象者 | 一般就労が困難だが雇用可能な人 | 雇用が難しく、より支援が必要な人 |
目的 | 一般就労へのステップアップ | 社会参加・生活リズムの回復 |
B型事業所での主な仕事内容
事業所によって異なりますが、以下のような軽作業を中心に行うことが多いです。
- 内職系作業:袋詰め、シール貼り、組み立て作業など
- 農作業:野菜の栽培・収穫・出荷
- 清掃業務:ビルや公園などの清掃、施設内の整備
- 軽飲食業:パンやお菓子の製造・販売
- リサイクル作業:古紙や衣類などの分別・整理
- クラフト作業:手工芸品の制作・販売
- PC作業:簡単なデータ入力、印刷物の作成
- 委託作業:企業からの軽作業の受託
利用者の障害特性や体調、得意不得意に応じて無理のない作業内容が設定されます。
どんな人が利用できるの?
- 精神障害、知的障害、身体障害、発達障害のある方
- 難病等で就労が困難な方
- 18歳以上で、就労経験があるが現在働くのが難しい方
- 障害福祉サービス受給者証の交付を受けている方
工賃(こうちん)について
B型では「給与」ではなく、「工賃」が支給されます。工賃は作業量や内容、事業所の売上によって異なりますが、全国平均は月1~2万円程度です。自治体や事業所によっては、工賃向上に積極的に取り組んでいる所もあります。
B型事業所で働く職員の職種と必要な資格
主な職種
- サービス管理責任者(サビ管)
- 生活支援員
- 職業指導員
- 目標工賃達成指導員(加算要件)
- 管理者(兼務可)
各職種の役割と必要資格
■ サービス管理責任者(サビ管)
- 個別支援計画の作成・モニタリング・全体的な支援の統括を担う責任者
- 【必要資格】
- サービス管理責任者研修(基礎研修・実践研修)修了
- 福祉経験(実務5年以上等)の要件あり
- 社会福祉士、精神保健福祉士などが望ましい
■ 生活支援員
- 日常生活のサポートや体調管理、対人スキルの支援を担当
- 【資格】必須ではないが、以下があると望ましい
- 介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士
- 初任者研修修了者など
■ 職業指導員
- 作業内容の説明や訓練、作業スキルの向上支援
- 【資格】不要だが、職業経験や福祉理解があると◎
- 教員免許や職業訓練指導員資格などがあると有利
■ 目標工賃達成指導員
- 工賃向上を目的に作業内容の改善・業務開発を行う職員
- 【資格】特に不要(管理者や職業指導員との兼務も可)
■ 管理者
- 施設全体の運営管理、対外対応
- 【資格】原則として実務経験と一定の研修受講
- 生活支援員など他職種との兼務も可能
B型事業所の役割
- 働く体験を通じて、生活リズムの回復や社会性の向上を支援
- 医療や福祉との連携によるトータル支援
- 一人ひとりの能力・希望に応じた支援計画(個別支援計画)の作成
- 一般就労に向けた基礎体力・能力の育成
支援スタッフの関わり方
B型では「指示を出して作業をさせる」のではなく、利用者の主体性を尊重しながら、一緒に作業を進める姿勢が求められます。
支援スタッフの具体的な役割:
- 作業内容の説明・補助
- 体調や精神状態の確認
- 作業中の見守り・安全管理
- 日々の記録と個別支援計画の作成
- 医療機関・家族との連携
- モチベーションを維持する声かけ
- 問題行動やストレスサインへの早期対応
よくある質問Q&A
Q1:作業ができない日が続いた場合はどうなりますか?
→無理に通所を強要することはありません。体調に合わせた出勤でOKです。
Q2:病院に通っていても利用できますか?
→もちろん可能です。医療との併用が前提です。
Q3:一般就労に進むことはありますか?
→あります。ただし目的はあくまで“社会参加”で、全員が就職を目指すわけではありません。
就労継続支援B型のやりがい
福祉スタッフとして働く中で、B型事業所は「人の変化」を感じやすい現場です。通所を続ける中で、少しずつ笑顔が増えたり、作業の正確性が向上したりといった、目に見える成長があります。
まとめ
就労継続支援B型は、障害のある方が「自分らしく働く」ことを実現できる大切な福祉サービスです。福祉スタッフとしての関わりが、利用者の生活や自信に大きな影響を与えます。
また、働く職員自身も、障害や支援についての深い理解と実践力を身につけられる貴重な職場です。
日々の支援の中で迷うことや悩むこともあるかと思いますが、目の前の利用者の「できた!」の積み重ねが、支援者のやりがいにもつながります。
福祉の現場は簡単ではありませんが、チームで支え合いながら、これからも一緒に頑張っていきましょう。
※この文章は一部AIが作成したものであり、内容の正確性を保証するものではありません。制度や情報の最新内容は、各自治体や厚生労働省の公式情報をご確認ください。