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服薬管理の基本|誤薬事故を防ぐ現場のチェック体制

病気への理解

利用者さんに服薬をお願いした後、「本当に飲み込めていただろうか」「時間を間違えていないだろうか」と不安になった経験はありませんか。障害福祉の現場では、食事介助や排泄介助、記録作成など複数の業務を並行してこなす中で服薬のサポートを行うため、少しの確認漏れが誤薬事故につながりかねません。本記事では、誤薬が起こりやすい背景と、厚生労働省のガイドラインを踏まえた服薬管理の基本、そして現場ですぐに取り入れられるチェック体制の作り方を解説します。

服薬管理のイメージ
服薬支援は日々の積み重ねが要

服薬管理が難しくなる背景

業務の多重化とヒューマンエラー

支援員は食事介助や排泄介助、支援記録の書き方を含む事務作業など、複数の業務を同時にこなしています。服薬のタイミングが他の業務と重なると確認作業が後回しになりやすく、渡し忘れや二重投与のリスクが高まります。特に交代勤務では、前の勤務者からの申し送りが不十分だと、同じ利用者に重複して薬を渡してしまう事例も報告されています。

厚生労働省が公表している医療安全に関する資料でも、確認作業の省略や思い込みが誤薬事故の主要因として挙げられています。「いつも通りだから大丈夫」という思い込みを排除し、毎回同じ手順で確認する仕組みを持つことが重要です。

利用者ごとに異なる服薬内容と変更頻度

障害福祉サービスの利用者は、精神科や内科など複数の医療機関を受診しているケースが少なくありません。自立支援医療受給者証の取得方法を含め、通院・服薬に関する情報は事業所内で常に最新の状態に保つ必要があります。処方内容が変更された際に情報共有が徹底されず、従来の薬を渡してしまうと誤薬につながります。対応に迷う場合は必ず医師・看護師・サービス管理責任者に相談してください。

現場での実践的な対応方法

今日から実践できること

📋 実践のポイント(生活介護・グループホームの場面)

  • 薬を手渡す前に「氏名・薬の種類・用量・時間」の4点を声に出して読み上げ、指差し確認する
  • 服薬後は利用者の口の中を確認し、飲み込みが終わってからチェック表に記入する(記入は後回しにしない)
  • 声かけ例:「〇〇さん、朝のお薬です。一緒に確認しますね」と伝えてから渡す
  • 残薬がある場合はその場で個数を確認し、看護師またはサ責に報告する

チームで連携してできること

📋 実践のポイント(就労支援事業所の場面)

  • 処方変更があった際は、その日のうちに申し送りノートと口頭の両方で全職員に共有する
  • 服薬チェック表はダブルチェック方式にし、渡した職員と確認した職員の両方が署名する
  • 週1回のミーティングで服薬に関するヒヤリハットを共有し、再発防止策を全員で検討する
  • 新人職員にはサービス管理責任者が同行し、独り立ち前に手順を実地で確認する
職員間のミーティングの様子
情報共有はチームの要

注意点・リスク管理上の留意点

誤薬事故は「起きてしまった後の対応」も重要です。事故発生時は速やかに医療職へ連絡し、状態を確認したうえで、事業所内のヒヤリハット報告書に経緯を記録します。厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定に関する資料でも、安全管理体制の整備は運営基準の一部として位置づけられており、記録・報告の仕組みを整えることは加算要件にも関わる重要な取り組みです。

また、個人の注意力だけに頼った再発防止策は長続きしません。ダブルチェックの仕組みや、誰が見ても分かる表示方法など、属人的にならない仕組み作りが求められます。服薬に関する判断や対応に迷う場合は、必ず医師・看護師・サービス管理責任者に相談し、自己判断で対応を変更しないようにしましょう。

チェックリストのイメージ
仕組み化がミスを減らす

まとめ

誤薬事故は特定の職員の不注意だけが原因ではなく、業務の重なりや情報共有の仕組みの不備から生じることがほとんどです。今日からできる小さなチェックの積み重ねと、チームで支え合う体制づくりが、利用者の安全を守る一番の近道です。まずは自分の勤務するフロアで、服薬チェック表の運用状況を見直すところから始めてみましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の支援方針・医療的判断・法的判断を保証するものではありません。実際の対応にあたっては、所属事業所のルールやサービス管理責任者・医師・看護師等の専門職の判断に従ってください。